
緊急用空域とは、災害などの緊急事態において、捜索・救助活動を目的とした航空機(ヘリコプターなど)の安全な運用を最優先するために、一時的に設定される空域のことを指します。
🔹 設定の目的
救難活動の優先: 災害現場上空は、救助活動を行う航空機が集中するため、ドローンを含む無人航空機との衝突リスクが高まります。
安全性の確保: 緊急用空域を設定し、一般のドローン飛行を制限することで、人命救助活動の安全と効率を確保します。
🔹 ドローンに対する規制
緊急用空域が設定された場合、たとえ通常の特定飛行の許可・承認を得ているドローンであっても、原則としてその空域内での飛行は禁止されます。これは、全てのドローンユーザーが最優先で守るべきルールです。
また、無人航空機を飛行させる者は、飛行開始前に、飛行させる空域が緊急用務空域に該当するか
否か確認することを義務付られています。
引用:国交省ホームページ
原則禁止される緊急用空域内でも、国や地方公共団体、またはそれらから依頼を受けた者が、捜索・救助等の業務のためにドローンを飛行させる場合は、例外的に飛行が認められます。(一般的な飛行は許可されません)
ただし、この場合も安全の確保が最優先されます。
🔹 飛行のための手続き
緊急用空域内での飛行は、以下の特別な手続きと調整が必要となります。
活動実施機関との連携:
飛行を行う際は、緊急用空域を設定・管理している関係機関(警察、消防、自衛隊など)や、現地の災害対策本部と事前に密に連携を取り、飛行日時や経路、高度などの調整を行う必要があります。
情報共有と安全対策:
ドローン情報基盤システム(DIPS)などを通じて、飛行計画を関係機関と共有し、他の救難航空機との接触を避けるための具体的な安全対策(例:高度制限、目視監視の徹底、緊急連絡体制)を講じることが義務付けられます。
ドローンが人命救助に貢献するためには、こうした緊急用空域のルールを正しく理解し、混乱を生じさせないよう適法かつ安全に運用することが非常に重要です。