双眼鏡やカメラで見るのは目視外飛行

ドローンの産業利用が進む中、物流、インフラ点検、災害調査など、操縦者の目が届かない範囲まで飛行させる目視外飛行の需要が急増しています。


しかし、目視外飛行は航空法における「特定飛行」に該当し、原則として国の許可・承認が必要です。また、モニターを見ながら操縦する「FPV飛行」もこれに含まれるため、趣味のユーザーであっても注意が必要です。


1. そもそも「目視外飛行」とは?

航空法において、ドローンは「常時監視できている状態(目視内)」で飛ばすことが大原則です。目視外飛行とは、その名の通り「操縦者が自分の目で機体を直接見ることができない状態」での飛行を指します。


よくある誤解:モニターを見ながらの操縦
多くの人が誤解しやすいのが、プロポ(送信機)の画面やFPVゴーグルを見ながらの操縦です。 たとえ機体がすぐ近く(数メートル先)にあっても、操縦者が肉眼で機体を見ていなければ「目視外飛行」に該当します。


ここがポイント:


双眼鏡やモニター越しに見る行為は「目視」に含まれません。


機体の背後に隠れて見えなくなる場合も「目視外」です。


2. 目視外飛行に必要な許可・承認

ドローンで目視外飛行を行う場合、飛行場所にかかわらず、国土交通大臣の承認が必要です。


目視外飛行における操縦訓練が必要です。


補助者の配置又は立入管理措置が必要です。


3. 「補助者なし」での目視外飛行(レベル3.5)


ドローンの社会実装を促進するため、
レベル4の他、従来のレベル3の制限を緩和したレベル3.5が認められるようになりました。
補助者を置かずに飛行できるレベル3.5では、以下の要件を満たせば立入管理措置の代替ができます。


無人航空機操縦者技能証明(国家資格)の保有:一等・二等の種別は問われませんが、目視内飛行の限定解除が必要


第三者賠償責任保険への加入:万が一の事故に備え、十分な補償が可能な保険に加入


機上カメラの活用:ドローンに搭載されたカメラとモニターなどを活用して、飛行経路の直下や周辺に第三者がいないことをリアルタイムで確認


4. FPVドローンと目視外飛行

レースや空撮で人気のFPVドローンは、構造上、常に目視外飛行となります。
そのため、屋外で飛行させる場合は、飛行承認が必要です。また、飛行時は必ず「補助者」を配置又は立入管理措置を行わなければなりません。


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